日本は沈没船なのか? その実情と処方箋

■日本という船はどこに向かっているのか

日本はもはや沈没船で国内の企業競争はもはや「沈没船の上の椅子取りゲーム」と揶揄され
る声を聴くことが増えた。

確かに一人当たりGDPは1993年を1とし、2019年の段階でフランス、ドイツは1.8倍、
イギリス2.1倍、アメリカ2.4倍、韓国に至っては3.5倍という推計もある。
日本はと言えば1.1倍、ほぼ横ばい。

平均年収(実質)も同様、ドイツ1.25倍、フランス1.3倍、アメリカ1.38倍、イギリス1.43倍、韓国1.85倍。ただこれはかなり低い見積もりのように感じるが。
そして、日本は1.05倍、これもほぼ横ばい。

この間、税率、社会保障費は上がり続け、実質賃金は0.9を下回るデータもあり、可処分所得は減り続けている。それでも生活ができてきたのは長年のデフレのお陰と言える。

それに追い打ちをかけるのは人口動態の推移だろう。
2005年に自然増減数がマイナスに転じ、2019年マイナス50万人を突破、2022年マイナス79万人、80万にもうすぐ手が届くところまで来てしまった。
現実味がない数字にピンとこない方も多いと思うが、佐賀県の人口が約81万人。つまり、佐賀県クラスの県が毎年1つ消えるという事態になっている。

こんなデータがある。OECD加盟38か国中、日本の就労者一人当たりの労働生産性は28位、27位がポーランド、29位エストニア。近隣に先進国の姿は見えない。
こんな状況なのに、いまだに経済大国と言われる最大の要因は1.2億人という人口を背景としている。
その後ろ盾も上記のとおり加速する人口減少が蝕んでいく。


■日本企業という船はどこに向かっているのか

では、この日本という船に乗っている乗組員はどのような状況なのだろうか。

◇18歳の意識調査
ここにインド、韓国、中国、イギリス、アメリカ、日本などの「18歳意識調査(2019年)」
がある。

主要な質問と結果は下記の通り。
・自分を大人だと思う:1位(中国、89.9%)、最下位(日本、29.1%)
・自分は責任ある社会の一員だと思う:1位(インド、92%)、最下位(日本、44.8%)
・将来の夢を持っている:1位(インドネシア、97%)、最下位(日本、60.1%)
・自分で国や社会を変えられると思う:1位(インド、83.4%)、最下位(日本、18.3%)

その他の項目も日本の最下位が続いている。
特に、印象深いのが「自分で国や社会を変えられると思う」の質問の回答だろう。8割以上が「国や社会を変えられる」答えたインドと8割以上が「変えられない」と答えた日本。
変わらない日本に自分には変えられない諦めが蔓延している。
この調査は毎年行われているが、傾向は大きく変わらない。

◇社会人の意識調査
私は長年、組織開発・変革のコンサルタントをしている。その現実をこのデータは物語っている。

アジア太平洋地域(APAC)14か国(中国、韓国、台湾、香港、日本、タイ、フィリピン、
インドネシア、マレーシア、シンガポール、ベトナム、インド、オーストラリア、ニュージ
ーランド)の就労している20歳から69歳までのアンケート調査をまとめたもの(2019年)

【問1:あなたは現在の会社で管理職になりたいですか】
1位:インド(86.2%)、14位(最下位):日本(21.4%)

皆さんは、このデータを見て、どう感じただろうか。
私は、すぐに信じることができなかった。

これが事実なら日本で管理職になりたい人は約5人に一人ということになる。

即刻、クライアント先のプロジェクトメンバーの若手(20代)数名に、同様の質問を投げかけてみた。返ってきた回答に更に衝撃を受けた。

「管理職になるなんて罰ゲームじゃないですか・・・」
これは20代後半のプロジェクトメンバーの回答です。いつも辛そうにしているリーダー、高給であるならともかく、リーダーとの給与差はそれほどでもない。
割に合わない。そもそも魅力的なリーダーが見当たらない。

更に、他の部長職が集まるセミナーでこの話をしていたとき、参加メンバーの一人(部長職)からこんな話を聞いた。

ある優秀なメンバーにリーダーへの昇進の話を持ち掛けた。すると彼はこう答えたという。
「リーダーになるなら会社を辞めます」

もはやこの国では管理職やリーダーになることは「罰ゲーム」なのだ。
だとしたら、昇格昇進を柱とした人事制度に意味はあるのだろうか。

【問2:あなたの職場はどのような風土ですか】
この問いは、風土に関する選択肢が幾つかあり、その中で自組織が当てはまると感じたものを選択し、そのパーセンテージで順位付けをしている。
まず、14か国全体のTOP3は下記の通りになっている。

1位:チームとして1つにまとまっている(87.8%)
2位:一致団結して目標に向かっていく雰囲気がある(86.8%)
3位:自分勝手に仕事を進める人よりも、和を重視する人の方が評価される(85.1%)

とても前向きな印象を受ける。そして、日本のTOP3は下記の通り。

1位:上層部の決定には、とりあえず従うという雰囲気がある(80.2%)
2位:自分勝手に仕事を進める人よりも、和を重視する人の方が評価される(75.8%)
3位:社内では波風を立てないことが何よりも重視される(75.1%)

数年前によく聞かれた「忖度」「同調圧力」という言葉が脳裏をよぎる。

【問3:あなたは仕事を選ぶうえで重視することは何ですか】
日本のTOP3
1位:希望する収入が得られること(14か国共通)
2位:職場の人間関係が良いこと
3位:休みが取れる/取りやすいこと

【問4:転職した理由は何ですか】
日本のTOP3
1位:給料に不満がある
2位:人間関係がうまくいかない
3位:会社の将来性が不安

このデータに日本の国民性を垣間見ることができる。注目すべきは問3、問4の2位。
両方共に人間関係が仕事選び、離職の重要な要素になっている。
日本人なら当然だと思う。
しかし、他の13か国でランキングの上位に人間関係を挙げた国は1つもない。参考までに「職場の人間関係が良いこと」の日本以外の最高位はフィリピン6位、
「人間関係がうまくいかない」の最高位は韓国10位。

ここから日本人が過度に人間関係の良好さや他人の目を気にする国民性が強いことに気づく。

私は20年以上日本の組織を見続けてきました。その結論の一つが、信頼関係の強さが組織のパフォーマンスに直結するということです。
これはグーグルが発表した「心理的安全性」があればチームは100%高い成果を出すという結論と近いものです。

ところが今の日本の実情は「他人に興味のない人」が激増し、私の経験則では、組織メンバーの実感としての信頼関係がある職場は全体の2割にすぎません。
日本人の強みは結束力です。残念ながら信頼がない職場にはそれがありません。結果、「個人は優秀、組織は無能」、チーム力0の単なる集団になります。
これも沈没船日本の大きな要因の一つだと考えています。

【問5:あなたは自分の成長を目的として行っている職場以外での学習や自己啓発についてお知らせください】

これは自分のお金と時間を使って自己投資しているかを聞いている問です。
結論だけお伝えします。
「読書をしている」「セミナー等に参加している」「資格取得の学習をしている」「副業をしている」すべて問いの回答が14か国中最下位。
そして「とくに何も行っていない」だけが14か国中ダントツの1位となっている。
参考までに主な数値は1位のベトナムが2%、13位のニュージーランド22.1%、日本は46.3%。約半数が自己投資を行っていないことが分かる。

そして企業の社員に対する人材育成投資はというと
「GDPに占める企業の能力開発費の割合の国際比較(2010~2014)」から、
アメリカ:2.08%、フランス:1.78%、ドイツ:1.2%、イタリア:1.09%、イギリス:1.06%、日本:0.1%となっている。

この結果から明らかなように個人も企業も自他ともに人材成長に投資しない国になっている。
沈没船として世界から取り残されているのは国ではなく、成長しない、する気がない国民なのではないかと不安を覚える。

■処方箋
ここからは私の現実のコンサルティングやセミナーの現場からの考察になります。

◇個人編
結論を言えば、「自己投資を増やして成長しましょう」ということになる。学校教育において一方的なティーチングにならされている日本人は、受け身の学びしか経験則がない。その結果が惨憺たる今を創り出している。

【インプットを増やす】
私は今でも日本人は潜在的には優秀だと信じている。しかし、セミナーやセッションを行う
たびに、あまりの出来の悪さに頭を抱えてしまう。
例えば、下記のような表現が当たり前のように出てくる。

「リーダーとして目標を共有しマイルストーンを明確にしながら確実に達成する」

かろうじて日本語としては成立しているものの、まったく意味不明な文章。日本企業では、こんな表現やプレゼンがまかり通っている。
毎度のことながらこのような曖昧な文章や表現に山のように質問が浮かぶ。
・「目標」とは何か?
・「共有」とは具体的にどうするのか?
・「マイルストーン」とは何か?
・「明確に」とは何をどのような方法で行うのか?
・「確実」なぜそのようなことが言えるのか?
・「確実に達成」どのような方法で?
そして実際に上記の質問をしたとしよう。するとまた同種の抽象的な回答が返ってくる。
つまり具体策がまったく創出できていない。それをごまかすために言葉を飾り、抽象論で胡麻化そうとする。そんな対応が習慣化している。

なぜ、このようなことが常態化するのか。結論はこれまでのデータが示しているように、学習(インプット)不足。
結果、私の口癖は「より良いアウトプットはインプットの量で決まります」となる。学習量が少なければ良い発想やアイデア生まれない。学習しない人が素晴らしいアイデアを連発出来たら、それは天才です。
重要なのは情報量ではなく学習量です。記憶ではなく、思考と発想の習慣化です。

【答え探しをやめる】
これは学校教育の弊害なのでしょう。
自覚なしに多くの人達は答え探しをしている。ググって出てきた情報を答えと勘違いしている。それはただの情報です。しかも正しいとは限らない。
多角的な情報を集めることは良いと思います。それを自分の頭で考えて最終的なアイデアへと収斂していく。それが思考です。それをしない、できない人を多く見かけます。
そして多くの人が、学習を答え探しのプロセスと勘違いしている。さらに、正解は1つという刷り込みもあるようで、まさに多様性を自らが封印している。

一般的な教育機関は知識付与と答え探しを提供するばかりで、本当の学習を学ぶ機会は少ない。ただ漫然と与えられるものを重要しつづけることに真の学びはない。
であるならば自らが自腹と時間を割いて自分に本当に必要な学び(機会)を探し、日常の中に自らを真に成長させる、自分にとっての学びを創造していくことが必須となる。
このチャレンジが個々に問われている。

◇企業編
同様に企業での人材育成も壊滅的である。我々、組織開発や人材開発に関わる者の共通の課題がある。
「日本中で若手が育っていない」
誤解しないで欲しいのだが、若手だけが育っていないわけではない。
日本は先のデータで示した通り、人材開発への自己投資も企業投資も惨憺たる現実がある。
その中で「若手」と上げたのは、日本の未来を考えるとき、若手の成長が最大の希望だからです。
実のところ様々なデータを見ていくと、40代よりも20代の自己投資は更に低迷している。
相変わらず、企業の育成投資のボリュームゾーンは中堅リーダー、つまり課長職に集中している。
結果、名ばかりの新人研修を終えた後は、まったくの放置状態が続く。
企業によっては次の研修を受ける機会は10年先も珍しくない。
職場内のOJTが機能しているのであれば、救いもあるが、現場の管理職に育成力がない。
それはむしろ当然である。自己の能力開発もままならない状態で、部下の育成能力を高める努力をするリーダーがどれほどいるだろう。

私は今の日本の組織パフォーマンスを劇的に高めるためには、プロのリーダーの育成が急務だと言ってきた。プロのリーダーとは組織や人材の状況や実力を洞察し、的確な指導育成ができるリーダーを指します。そのためには多様な教育やマネジメントテクノロジーを学び実践する必要がある。
もちろん、私が提供している学びもそれに当たる。

ところが残念なことに、事なかれ主義、前例踏襲を基盤とした、この国の組織マネジメントは、いまだに昭和のまま、時代に合った変革に目を向けようとしない。

さながら最新のパソコンにWINDOWS95を積んでいるようなもの。ハードを最新でも性能を引き出せない。さらに最新のアプリケーションも動かない。
皮肉ではありません。現実です。

それに気づいている若手リーダーもいるが、上層部にそれを理解する感性がない。
そして、人材投資もしない。今の日本企業は経営やマネジメントの優先順位が分かってない。
企業組織のパフォーマンスはOSであるマネジメントで決まる。そのOSを時代の変化と共に変化させなければ、沈没船の浸水はさらに加速する。
これは一過性の研修やテクニックの問題ではなく、組織風土や文化を刷新するという経営そのものの課題です。
それに気づかない経営者やリーダーは、沈没船の船長か裸の王様と言える。
それを見て見ぬふりをして変革へのチャレンジをしなしメンバーは、甘んじて沈没船と共に心中することを受け入れていることになる。
あなたはそれでいいのか?

【自己成長を支援する仕組みづくり】
もう一過性の無駄な企業研修はやめた方がいい。
参加者に明確な目標と当事者意識が欠落した状態で研修に参加しても、研修内容は1週間で忘れる。
企業研修の多くの参加者の口から飛び出すのは、受講目的ではなく「会社に言われてきました」と、つまり目的は参加すること。そして、何となく、その時間を過ごして、帰っていく。
この行為に貴重な人生の時間を費やしている。まさに不毛としか言いようがない。

こんなことに極めて少ない貴重な研修予算を割いている。ナンセンスだ。
重要なことは目的と当事者意識のある人材に集中投資をすること。これは年齢や立場に関係なくです。

会社側はより良いメニューや支援体制を準備する。良いメニューは研修担当だけではなく、広くメンバーから募る。支援体制とは学びが活かせる職場環境や上司が学びを仕事に活かせる支援ができることを指す。
そのためには当事者の受講動機以上に、受講者と上司が受講者に何を期待し、職場に何を持ち帰り、研修で得たものを受講者の成長と職場でどのように生かすかを話し合い腹落ちした段階で学びを始めることが理想です。

それがなければいかに当事者が素晴らしい気づきや学びを持ち帰っても、上司がそれを潰してしまいます。

それがない研修体系や研修制度は、箱もの行政同様、箱だけ作って魂をいれないのと同じです。
そんなことに経営資源を割くことは無駄以外の何物でもない。

【組織シナジーを妨げる個人評価偏重からチーム評価】
人事制度が個人と組織の成長を阻害しています。
これはチームビルディングを学んでいただけると分かることですが、今の日本の人材も組織もガス欠状態にあります。
つまり自信、自発性、創造性、モチベーションが低く、成長とイノベーションが起こせない状態にあるということです。
この状態の現象面は先のデータが物語っています。

数年前から「心理的安全性」という言葉が一般化してきました。
私の良い方で言うと「職場で本音が言い合える真の信頼関係がある状態」を指しています。
グーグルにおいては、この「心理的安全性があるチームは100%成果を出す」という結論に至っています。

では、日本の職場にそれはあるでしょうか。結論から言えば、ほとんどの職場にそれはありません。
その原因は多岐に渡りますが、大きな原因の一つが個人評価偏重の人事制度です。

日本企業の再生にはマネジメントOSの入れ替えとともにチーム評価に重きを置いた人事制への移行が必須です。
職場リーダーの自チームの課題の中に必ず出てくる「個人商店」という言葉。
自分の事だけしかしないメンバー、協調性が低く助け合い支援し合わないメンバー、部下の手柄を取り上げるリーダーなどなど。なぜこのようなことが横行するのでしょう。
もっと大きな原因は、他者を支援しても評価されないからです。
もちろん人格的に素晴らしい一部の人達は、評価されなくても悩みを聞き、助け合います。
しかし、それが成果に結びついても、支援した側は評価されない。
結果、そのような取り組みはどんどん薄れていく。

チーム創りで最も重要なことはチーム力の創造です。チーム力とは人数分のパフォーマンスを超え人数の何倍もの成果(量と質)、そしてイノベーション創り出すことです。
そして、チーム力の源泉は本気で相互支援、お互いに強みを出し合い弱みを補い合うことで生まれます。

特に日本人の力を飛躍的に引き出すものは「結束力」です。日本人の国民性、人間関係の質(深い信頼関係の有無)が個人やチームの成長や成果に大きな影響を与えます。
これは自明なことなのです。

であるにも関わらず、いまだに評価制度は個人偏重のままです。ナンセンスなことは同じ人事部の機能である研修チームではチームビルディングを推進し、評価制度チームでは旧態依然の個人評価を推し進めている。ブレークとアクセルを同時に踏み続ける。
チームビルディングの導入に投資し、それを学び意気揚々と職場の実践に入る。
しかし、チームで成果を上げても、チームとしての評価がされない。評価されるのは当事者のみで、その成果のために尽力したメンバーやリーダーはまったく評価されない。
結果、チームビルディングの取組が継続できなくなり、生まれ始めたチーム力が消えていく。

こんなナンセンスなことが現実に起こっている。それも、ほとんどの企業で。

これは日本の企業に人事機能(採用、育成、評価、処遇)を真の人的資本の強化目的として戦略的に運用できる人材がいないこと、経営者にその視点が欠落していることを物語っています。ここにも人材資本の強化を見据えた施策を実践できるプロがいない。

私達の社会や企業にとって最も重要なものは言うまでもなく人材と組織・チームです。
採用、育成、評価、処遇、それぞれのプロフェッショナルが部分最適に尽力すればするほど、足の引っ張り合いなる。個人商店化した組織は、それにも気づけない。
これも真の学びを忘れた集団と個人の末路なのかもしれません。
いったい、このパラドックスから日本企業は抜け出す日は来るのだろうか。

まずは、組織がチーム力を発揮できる人事評価制度へ向けて、広く一考を呼びかけたい。

【組織創りのOSを全社員が徹底的に学び合う】
なぜ、日本に良い職場、良いチームが少ないのか。
私はプロジェクトのキックオフやセミナーでこんな問いをする。

「朝起きて、早く会社に行きたい。早く仕事がしたい。早くみんなに会いたい」と思う方、手を挙げてください。

結果は、毎度同じ。手を挙げる人が一人もいない。それでも稀に手が挙がる人がいると、その方を「奇跡の人」と呼び。そう、日本では稀有な存在になっているのです。

この問いを言い換えると、職場とは
「行きたくない場所に行って、やりたくないことを、会いたくない人とする」
となります。もちろん、このすべてが当てはまる方は少ないと思いますが、すべてでうなずく方も少なからず居るのも事実です。それも若手に多い。

では、なぜ、この現実が変わらないのか。

結論は簡単です。
誰も「良い職場、良い組織、良いチームの創り方を知らない」だけです。

私自身、長年生きてきて親からも学校の先生からも上司からも学んだことがありませんでした。漫然と誰かが良い職場等は作ってくれるものと考えていたような気がします。
しかし、現実を見れば分かるように良い職場を誰も作ってはくれません。

では、どうするか。答えは明快です。私達で創る。
「良いチームの創り方」は確実に存在します。それを学び、チームメンバー全員で実践する。これによって良い職場、良い組織、良いチーム、さらに言えば良い学校や良い家庭も創ることができます。

ただ、それを成し遂げるには、小手先のノウハウや表面的な知識の習得だけではできないということです。
もちろん、はじめは原理原則やスキル的なものから学びは始まりますが、最も求められるのは人としての成長です。

自分自身が人として成長し素晴らしい仲間と共に社会的価値を創出するチーム(組織、職場、学校、家族などなど)を創る。どんなに能力が高くても今だけ金だけ自分だけの個人商店人間を集めても絶対に良いチームはできません。

私はプロジェクトやセミナーの冒頭に「チームは自分が変わった分しか変わらない」をメッセージします。
これは自分の見える景色は自分が動いた分しか変わらない。つまり自分が成長した分しか、この世界の認識(自分の現実)は変わらないということです。

そのためには記憶(情報)を増やすことではなく、得た情報の実践によって知識に変え、更に試行錯誤によって成果を出し自分の知恵に昇華していくことが問われます。

筋トレ同様、何百回、何千回の実践と検証の中で、私達はこの世界での価値ある成長を手にします。

そして、最も重要なことは、良い職場づくりについて職場で一人だけ分かっていても、現実は変わらないということです。
職場創りの原則は全員参加です。チーム(職場の)全員がそれを知り、実践によって理解を深め、最終的には職場(チーム)としての知恵に変えていく。
そのプロセスが経営や職場のマネジメントに根付いたとき、時代とともに成長する沈没船にならない素晴らしい船へと変ぼうしていきます。
それは気づいた勇気ある一人から始まり、仲間を増やしながら変化が広がっていきます。
もう善良な傍観者を辞め、その歴史を創る最初の一人になるかどうかは、あなた次第です。

チームビルディング・ダイジェスト

映像で学ぶチームビルディング・ダイジェスト(3時間)

チームビルディング・ダイジェスト(映像講座)
【概要】
本講座は、組織、チームに関わる全員の皆様がより良いチーム創りに参加するための共通言語とチーム創りの原理原則を学ぶ講座です。

【期待される効果】
チームをより良いものにするための自分自身の成長ポイントが分かる
チームとは何か、チーム成長とは何かが分かる
チーム創りの原理原則と創り方が分かる

映像でチームビルディングの基礎を学ぶ

チームビルディング基礎1:フォロワーシップ(映像講座)
【概要】
本講座は、チームの一員としてのチーム力、チームシナジーを生み出す関わり方を理解し、チーム成果の最大化に貢献できる人材としての基礎能力を養い、実践できるようになることを目的としています。
フォロワーシップの理解は、リーダー・メンバー・肩書や年齢を問わず、組織、チームに所属する全員の理解が必要です。

【期待される効果】
・フォロワーシップ(自分で考え行動する力)が向上し、指示待ち気質から脱却できる
・チームメンバーへの協調・支援的行動が高まりチーム力を高める関りができる
・チームをより良いものにするための自分自身の成長ポイントが分かる
・チームとは何か、チーム成長とは何かが分かる
・チーム創りで最も重要な心理的安全性の本質と作り方が分かる
・自チームの課題と現実的に取り組むべきことが鮮明になる

Good Team 成果を出し続けるチームの創り方


Good Team 成果を出し続けるチームの創り方 | 日本チームビルディング協会 -JTBA-
本書は「病んでいる職場が劇的に変わる」チームビルディングの手法を紹介しています。 その内容は、一時的にチームに勢いをつけて成果を出す「対症療法」ではありません。 成果を出し続ける「Good Team」(グッドチーム)の創り方を、最も重要な“意識改革”から始めていきます。

チーム作りが基礎からわかる入門書

ひとりでも組織は変えられる!諦めているあなたへ ―始動編―

『ひとりでも組織は変えられる!諦めているあなたへ ―始動編―』
斉藤秀樹 著
電子書籍(Kindle)
価格 : 100円(税込み)
発行元 : (一社)日本チームビルディング協会
発行日 : 2017/7/1

課長塾「斉藤秀樹のチームビルディング術」

『最強組織を創るチームビルディング術』
斉藤秀樹 著
B5 116ページ
価格 : 1,543円(税込み)
発行元 : 日経BP社
発行日 : 2013/12/04





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